5. 助成金(7月)
さて、今回は国際開発サークルのメンバーで炭プロジェクトを運営していて、実際にみんなでケニアで活動しようとしている。その際に問題になるのが資金である。私は1回目のケニア滞在で貯金のほとんど使用し、ネパールも自腹で行った為、今回自己資金で行くのは気が引けた。そこで、プロジェクト資金を得る為、助成金を獲得する事にした。
実は2回目のケニア滞在はこの助成金を使って、ケニアで活動させて頂いた。2年連続、同じプロジェクトに支援してもらう事はかなり困難が予想されたが、ネパールで学んだ新技術とチームで行う事のメリットを訴え、ケニアの往復の渡航費を支援して頂く事になった。滝久雄氏には2年連続でサポートをこのプロジェクトをサポートして頂き、本当に感謝しております。
今回はチームで大規模な活動をする事から活動そのものに対する助成金が必要であると判断した。そこで、発展途上国での活動に支援をしている地球市民財団にケニアでの炭プロジェクトの活動資金を支援してもらうべく、助成金申請を行った。その結果、今までの活動が評価された事もあり、助成金を頂く事ができ現地での活動費を得る事ができた。この支援を基に今までに出来なかった事をチームで達成していきたいと思っています。
6. チーム編成(7月)
支援金を頂いた後は、ケニアで計画的活動できるように約2ヶ月前からチームで議論を重ねて行った。
写真9 スケジューリングの確認
結果、当初ワークショップで新しい技術を普及していく事に主眼を置いていたが、ワークショップ後に参加した現地の人々がビジネスに繋げる事ところまでの土台を作る事にした。
具体的な目標はこのリンクより。
7. コンプレッサーの改良(8月)
前回のエントリーで述べたように粘土をバインダーとして使う際には穴の有無が重要になってきます。今までのコンプレッサーはキャッサバを使用していた為、穴をあける必要はありませんでしたが、粘土を使用した炭には穴が必要である為、新しいタイプのコンプレッサーが必要です。
さて、ネパールのコンプレッサー(写真10)は機構が難しくコストも割高になる事が予想される為、果たしてケニアで安価に作る事ができるか分かりません。そこで、なるべくシンプルな機構で、安価な部品を使って新しいコンプレッサーを作る事にしました。そこで、プロトタイプとして、大きめのネジを缶の蓋に取りつけ、それをコンプレッサーに組み込む事にしました。
そして、そのコンプレッサーで作った炭が写真11。しかし、ネジを使って穴をあけたのは良いが、ここからこのネジを抜くのが困難であるという状況に陥りました。ここから無理にネジが付いている缶の蓋を炭から外そうとすると炭が崩れてしまう為、乾燥してから抜く事にしました。しかしながら、乾燥すると今度はネジが乾燥した粘土にくっついてしまい抜けてなくなってしまいました。
写真10. ネパールのコンプレッサー(左がOld typeと右がNew type)
写真11. 穴をあける機構
この結果から、ネパールのコンプレッサーのように穴をあけてからその穴をあけた棒の部分を炭から抜く為の別の仕組みが必要であると分かりました。そこで、ゼロベースで簡単なデザインがないかを検討しました。新しく考えたアイデアはこちらににゆずりますが、結論をいうと作成したCADからどちらのデザインも上手くいかない事が分かりました。そこで、もう一度ネパールのコンプレッサーを参考にして、これをよりシンプル化した物を考えました。それをCADで描かれた物が写真12です。
写真12. ネパールのもの(Old type)をを参考にしたコンプレッサー
そして、このCADのデザインを基にコンプレッサーのプロトタイプを作成していきます。 溶接をできる自分の父親との議論で、円形よりも四角の方が製作しやすいというフィードバックをもらったので、四角のコンプレッサーを作成しました(写真13)。
写真13. コンプレッサーのプロトタイプ
写真14. プロトタイプで作った炭。
最後にこの炭を実験で燃やすと、写真15. のように前回よりも強い火力で燃えてくれました。
写真15. プロトタイプの炭の燃焼実験
以上、日本での活動記録でした。
この知識を基にケニアでこれらの技術を導入していきます。
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