2012年8月30日木曜日

炭プロジェクトの振り返り その1


お久しぶりです。
タクロー@ソウルです。

これから3度目のケニアに到着行って参ります。
今回のミッションは、農業廃材から炭を作る技術を用いて、現地で会社を立ち上げる為の土台を作る事です。その前にケニアから帰国してから、これまでどのような活動をしてきたのか簡単に振り返ってみたいと思います。


-------------------これまでの活動-----------------------

1. ネパールでのリサーチ(5月ゴールデンウィーク)
前回のエントリーでも書きましたが、ケニアでの炭生産技術の問題点、特にバインダーにキャッサバを用いる事、を解決する為に、廃材から生産された炭ビジネスが上手く回っているネパールに行き、専門家に色々とアドバイスを貰いました。なぜなら、ケニアで粘土をバインダーとして使用したら燃えなかったにも関わらず、ネパールでは上手く機能しているという情報を聞きいれたからです。

結論としては、
粘土と炭の比率が重要で、粘土をたくさんいれると火が付かないのではないとのことでした。アクションプランとしては粘土と炭の比率を体積比で1:3 にする事になりました。

2. Charcoal 新メンバーの合流 (5月)
私がケニアから帰国した2011年10月から東工大の国際開発サークルIDAの一つの海外プロジェクトとして修士2年生の5人で活動していましたが、4月に新しいメンバーが加入して是非ケニアプロジェクトに参画したいとの事で、2年生の2人が合流しました。

メンバーに関してはこのリンクから。

3. 炭実験の失敗 (6月) 
ネパールで貰ったフィードバックを基に作成した炭で実験。


実験. 1 コンプレッサーなし (6)
以下の写真1のように2種類の粉末を使って3種類の炭を作った。3種類の炭は写真2のように乾燥後、見た目に違いがでた。粉末1でネパールでのアドバイス通り粘土:炭の比率を1 : 9 にしようとしたが、粉末のサイズが大きいのか固まらず結局比率が1:3 になるまで粘土を必要とした。(1) 2, 3は粘土の種類がネパールと違う事を考慮して、比率を微妙に変えて作った。結果、乾燥後1 : 9 では粘土の量が少ない事から、表面がざらざらして炭の粉末が簡単に落ちてしまうという強度に問題がある事が分かった(2)。一方、1.5 : 8.5の比率では粘土の量が多くなったため表面のざらざら感がなくなり強度が強くなった事が分かった(3)
























写真1. 炭の作成

















写真2. 炭の種類

さて、絶対に燃えると自信を持って臨んだ実験だが、結論からいうとどれも燃えずに終わってしまった。表面が粘土の色に変わりこれ以上燃えなかった。かなり自信があったので、失敗後は意気消沈でした。何が原因なのか分からなかったが、今回はコンプレッサーを使用していなかった為、それが何かしらの作用を及ぼしているという仮説の基次の実験に臨んだ。













写真3. 炭テストの結果

実験. 2  コンプレッサーあり(7)
実験1で失敗した原因は分からなかったが、とりあえず一番最初に思い付いたコンプレッサーの有無の影響を調べる事にした。コンプレッサーは写真4のように缶と加工した円柱形の木材を使用する事にした。そして固めたのが右の画像。


写真4. 缶のコンプレッサーと炭

さて、いよいよ実験です。
結果は、、、やはり失敗でした。実験1と同様に炭の外側だけが燃え中が残っているというカントリーマーム状態になってしまいました。

















写真5. 炭実験2の結果

4.
炭の改良(7)
炭実験2の後にメンバーで集まって果たして何が原因かを議論しました。そこで、もう一度ネパールの炭と見比べてみる事にしました(写真6)。結果、穴の有無が大きな要因なのではという仮説がでてきました。ただ、確かにより酸素を供給するようになるが、結局穴の中も表面だけ燃えて中が燃えないようになるのではという疑問があったためかなり懐疑的でした。















写真6. ネパールの炭

ただ、それでもとりやえず実行してみる事が重要なので上記のコンプレッサーで固めた後に数か所穴をあける事にしました(写真7)



















写真7. 穴が空いた炭

そして、燃やしてみると写真8のように穴が赤くなって燃えている事が分かります。今回はネパールのように穴が大きくなくない為火力が弱かったが、穴を大きくすると酸素が多く供給され火力が上がる事が予想されます。今回の実験の結論から、まず穴をあけると下から熱しられた空気が穴を通って上昇する。その過程でたくさんの酸素が供給され、これが粘土をバインダーとして使用した炭を燃やすコツである事が判明した。

写真8. 実験結果


続きは直ぐにアップします。